不連続作品鑑賞

感想めもです。ネタバレしかない。

エムブリヲ奇譚/山白朝子

★★★☆☆

正直最初の作品はあまり刺さらなくて、どうなんだろうと思った。しかしこそから『ラピスラズリ幻想』『湯煙事変』と好みの作品が続き、自分が徐々に盛り上がっているのを感じた。『櫛を拾ってはならぬ』が一番好き。

楽しく読んだ。面白かったが、私以外にこの作品がもっと刺さるという方が絶対にいると思う。

あとシンプルに連作短編集って読みやすくて楽しくて好き。

おすすめしてくれてありがとう。

儚い羊たちの祝宴/米澤穂信

★★★★★

米澤穂信は、清酒。すっと飲みやすく、美しい。米澤穂信の短編ミステリって読みやすくて面白くて本当にいい。

一番好きなのは『玉野五十鈴の誉れ』。他も良かったが、これが良すぎた。

通して読むことに意味のある作品というのは、嬉しいものである。

ミステリが好きな人であれば、全員楽しく読むことができると思う。おすすめ。

一九二八年三月十五日/小林多喜二

★★☆☆☆

当時書かれて発表されたということに意義がありすぎる。面白いとかではなく、社会的意義の作品。現代においては目新しさからは遠い。なぜならば、多喜二らが身を挺しこれらを歴史として残してくれたため。

しかしそれでいて飽きることなく読ませるのは、多喜二の文章力でしかない。

仮面の告白/三島由紀夫

★★★☆☆

読みやすかった。思想は合わない。よく読む文豪といわれる方らよりも現代寄りで、でも現代じゃない時代の人で。文章は現代なのに思想が少し昔だから、違和感があるのだろうなと思う。

恋と性欲はイコールでなくてもいいし、イコールでもいい。園子が好きで、怪我した美丈夫が性欲対象でいい。当時に読むことができていたなら、また異なる感想になっていたと思う。

しかし思想が合わなくても読ませるというのは、三島由紀夫の文章だからだろう。まっすぐに歪みを描く、美しさ。